育毛剤に配合されている塩化カルプロニウム外用の作用機序

日本皮膚科学会が作成している男性型脱毛症診療ガイドラインはAGA治療に効果を持つ治療法を推奨すると言った目的があります。
様々な治療法が在る中で、どのような治療を受ければ良いのか迷った時や、それぞれの治療法における効果を知りたい時などに利用するためのもので、AGA治療法に対してレベルA、レベルB、レベルC1およびC2、レベルDの5つの推奨度レベルを設け、レベルAは最も効果が在るとされる治療法で「行うように強く勧められる」、レベルBは一般的に効果が在るとされる治療法で「行うように勧められる」、レベルC1は効果に十分な根拠はない治療法で「行うことを考慮してもよい」、レベルC2は根拠がなくお勧め出来ない治療法で「根拠がないので勧められない」、レベルDは副作用などが大きく出る可能性が高いなどの治療法で「行わないように勧められる」に分けられています。

それぞれの治療法の代表例を挙げると、レベルAにはフィナステリドとミノキシジルの2つがあり、フィナステリドの場合、男性はレベルAの推奨度になりますが、女性の推奨度はレベルDの「行わないように勧められる」になり、レベルBには自毛植毛、レベルC1には塩化カルプロニウム外用、t-フラバノン、サイトプリン・ペンタデカンなどの育毛剤、レベルC2にはセファランチン、レベルDには人工毛植毛、女性へのフィナステリドと言った医薬品があります。
尚、男性型脱毛症診療ガイドラインの中では塩化カルプロニウム外用についての説明も行われており、臨床試験の中で塩化カルプロニウム外用を使用した結果を見る事が出来るようになっています。
フロジン液は塩化カルプロニウム外用薬が主成分の医薬品で、脱毛症に利用されるのが特徴です。
フロジン液がどのような機序で発毛を促すのかと言うと、この医薬品の主成分のカルプロニウムはアセチルコリンの作用を促すと言う特徴が在り、アセチルコリンは血管拡張作用があるため、血管を広げ、血流を高める、髪の毛への栄養を運んでくれると言った効果を期待することが出来ると言う事です。
動物実験の中ではカルプロニウムはアセチルコリンと比較した場合、約10倍の血管拡張作用が在ることが確認されていますが、効果が在るからと言って大量に使うと嘔吐や吐き気と言った副作用が生じる事も稀に起きることも在ると言います。
尚、塩化カルプロニウム外用薬は患部に直接塗布する医薬品であり、胃などに対する作用は少なく、男性型脱毛症診療ガイドラインの中で推奨度がレベルAになっているフィナステリドは服用するタイプの内服薬と言う事からも、胃への作用も生じる可能性も在ります。

男性型脱毛症診療ガイドラインの中でフロジン液についての記載は少ないのですが、塩化カルプロニウム外用としての記述は多く在り、この医薬品は有効であるのかと言った項目が作られており、推奨度としてはレベルC1の「行うことを考慮してもよい」、推奨分は「用いても良い」になっており、効果の期待は在ると言う事です。
但し、解説文の中には単独での有益性は現時点では十分な実証が行われていない、カシュウチンキ、チクセツニンジンチンキなどの生薬との合剤を含む、日本国内での膨大な診療実績を考慮した場合、外用療法の一つとして推奨すると言ったことが記載されており、特にカシュウチンキ、チクセツニンジンチンキなどの生薬が含まれていると言うカロヤンは30例の男性型脱毛症の患者さんに対し、12 週間外用させた結果、有効性がある患者さんは全体の2割、やや有効以上と言う結果の患者さんは約6割に上るなど、カロヤンの効果が高いことが臨床試験の中で実証されているなど、塩化カルプロニウム外用が含まれているカロヤンの効果は推奨度としてはレベルC1ではありますが期待する事が出来ると言う事です。

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